2026.03.17 by PLAYDRIVE
ラリー
2026年シーズンWRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)が、3月12日〜15日(日)に開催され、トヨタの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)がキャリア初の優勝を飾った。
初日から勝田のラリーは不運に見舞われてのスタートとなった。ラリー初日の12日(木)、雨に見舞われたSS1ではインターコムのトラブルでコ・ドライバーのアーロン・ジョンストンからのコールを聞き取ることができず、ハンドサインでの走行を余儀なくされ、SSトップのオリバー・ソルベルグから1分15秒7遅れに。
マシンを修復して臨んだ競技2日目、午前中最後のSS6ではSS2番手タイムをマークし、リズムをつかんだかに見えた勝田だったが、午後のセクション最初のSS7では左右の前輪をパンク。特に右フロントタイヤは原型をとどめず、ボディワークにもダメージが及んでいた。ステージは走り切ったものの、ポジションをひとつ落として総合5番手に。スペアタイヤを使い切ってしまったため、残る3SSではパンクは許されない。勝田はペースを落としてリスクを避け、総合7番手で競技2日目を凌ぎ切った。

TGR WRT / McKlein
迎えた3日目は、SS総走行距離がラリー最長となる122.72kmの厳しい1日。この日の2本目となるSS12で勝田は右の前後輪をパンクしたが、総合3番手につけていたサミ・パヤリが後退したことで総合5番手に浮上。続くSS13では、オジエ、ジョン・アームストロング(Mスポーツ)に次ぐSS3番手タイムをマーク。このSSでリヤサスペンションを傷めてリタイアを喫したエルフィン・エバンスとオーバーヒート症状に見舞われたフルモーをかわして、総合3番手にポジションをアップすることに成功した。
そしてこのSS後のロードセクションで、首位のソルベルグと2番手のオジエがともにマシントラブルでリタイアを喫することに。期せずしてトップに立つことになった勝田は、午後のSS14、SS15(SS16はキャンセル)をそれぞれSS2番手タイムでまとめ、総合2番手につけるフルモーとの差を1分25秒5に拡大。サファリでは“十分”とは言えないまでも、確たるマージンを築いて最終日に向かった。
最終日に残されたコースは4SS、57.40km。勝田はマージンを活かしながら徹底的にリスクを避けたドライビングに務め、ほぼノーダメージで最終SSまでを走り切ることに成功。フライングフィニッシュを通過した際のオンボード映像には、目を閉じてジョンストンと固い握手をかわす勝田の表情が映し出された。
GRヤリス・ラリー1のルーフに駆け上がり、拳を天につき出す勝田。ジョンストンと固く抱き合い、勝利を噛みしめた。2021年、自身初の2位表彰台フィニッシュを獲得したのがこのサファリラリーだ。想い出の地でついに初優勝をその手に収めた。

TGR WRT / McKlein
フィニッシュ後のインタビューでは「言葉になりません。本当に苦しい時期がたくさんありました……アーロンは僕とともに懸命に戦ってくれたし、チームのみんなも信じ続けてくれました。チームのみんなに感謝します。彼らとアーロン、そしていつも大きな支えになってくれた家族に感謝しています。ようやく、ここに辿り着きました」と英語で語ったあと「パパ一番になったよ!」と、家族に向けて日本語でメッセージを残した。

TGR WRT / McKlein
続けて、WRCの第一戦から退いたもののサポートを受けているタナック、豊田章男会長への感謝を語った勝田。1992年の篠塚建次郎以来の日本人WRCウイナー誕生となったこの日を、ラリーファンは忘れることはないだろう。今週3月17日は、勝田の33回目のバースデーとなる。自分自身にとっても最高のプレゼントとなったに違いない。
勝田貴元 ポディウムの軌跡
2021年第6戦サファリ 2位
2022年第6戦サファリ 3位
2022年第13戦ジャパン 3位
2023年第9戦フィンランド 3位
2024年第3戦サファリ 2位
2025年第2戦スウェーデン 2位
2025年第9戦フィンランド 2位
2026年第2戦スウェーデン 2位
2026年第3戦サファリ 1位