プレイドライブ


WRCジャパン:ナショナル部門はトヨタGRヤリスで参戦のディディエ・オリオールが圧勝

2024.11.28 by PLAYDRIVE

ラリー

11月21日〜24日に愛知県・岐阜県を舞台に開催されたWRC最終戦ラリージャパン、ナショナル部門はFIT-EASY Racingから電撃参戦を果たした1994年のWRCチャンピオン、ディディエ・オリオール(トヨタGRヤリス、JR1クラス)が大差をつけて優勝を飾った。

トップカテゴリーのラリー1やラリー2車両によるWRC2部門もアクシデントが続出するなか、ナショナル部門も波乱の連続に。まず昨年のラリージャパンでナショナル部門優勝を飾り、今年もDATを搭載したトヨタGRヤリスで挑んだ眞貝知志が、本格的な競技初日となる金曜日朝のサービスアウトタイムコントロールで燃料系トラブルに見舞われ、デイ離脱してサービスで原因究明と修復を行うことを決断。土曜日に再スタートしたが、この日最後の豊田スタジアムでのスーパーSSで4輪駆動制御の不調が発生し、再びデイ離脱。日曜日に2回目の再スタートを果たした。

さらに新井敏弘(スバルWRX S4)は、SS2でブレーキトラブルに見舞われ、労りながらの走りで凌いでいたが、SS4でエンジントラブルと泣きっ面に蜂。この後に設定されたタイヤフィッティングゾーンに戻ってチェックを行ったが、ここでリタイア届けを提出。土曜日を修復に費やして、日曜日に再スタートすることを選んだ。

一方、FIT-EASY Racingが今季の全日本ラリー選手権でモリゾウチャレンジカップの参戦に使用していたGRヤリスをFIAの安全規定に準拠させたマシンという異例の形で参戦に臨んだオリオールは、右ハンドルやHシフトパターン、左手でのサイドブレーキと慣れない環境に苦戦しながらも、WRCレジェンドらしい圧倒的な速さを披露。WRCタイトル獲得から30年目という記念すべき年に、トヨタの母国で開催されるWRCイベントでトヨタ車を駆り、部門優勝を飾った。

「様々な面においてとてもポジティブだった。まずはクラス優勝できたこと。僕もうれしいし、チームも喜んでくれたと思う。タイトル30周年ということで、挑戦しようと思った目標を達成できた」とオリオール。
「同じクラスでもっと速いマシンに乗っているクルーもいたはずだが、自分たちは運が良かった。30年前に運が良かったようにね。初めて日本のラリーに出場したが、ロードセクションにこれだけのファンがいるとは想像もしていなかった。一回のイベントでこれだけのサインをしたのは初めてだったと思うよ!」

JR1クラス2位でフィニッシュしたのは、村田康介(GRヤリス)。終始安定したペースで、昨年に続いて表彰台に上がった。今回は、今シーズンは全日本ラリー選手権、XCRスプリントカップ北海道とラリー参戦に勤しんできたコ・ドライバーの梅本まどかとともに、ショートステージでは英語のペースノートにも挑んだという村田。
「ドライバーですから勝てなかったのは悔しいですが、すべてのステージを走り切るという最も重要な目標を果たせたのは良かったです。オリオールとスーパーSSで対戦して勝てたのは、一生の思い出になります」

JR1クラス3位には、地元豊田市在住の佐々木康行(GRヤリス)。マシンには、地域関連のゆるキャラなど地元の応援をちりばめたマシンで表彰台に上がった。

RALLYPLUS

岡崎市出身、全日本ラリー選手権JN-3クラスチャンピオンの山本悠太(トヨタ86)は、JR2クラス連覇を達成。昨年に引き続き、ナショナル部門全体でも3位に入った。
「ラリージャパン3年目で、愛知県でのラリーの人気が高まっていると感じました。地元の岡崎市でも多くのファンの方々が応援にきてくれて、本当に力になりました」と地元の声援に感謝を語った。

JR3クラスは、連覇のかかった相原泰祐(ダイハツ・コペン)が、SS13でメカニカルトラブルによりデイリタイア。WRCイベント初挑戦の平川真子(トヨタ・ヤリス)が優勝を飾った。
9月には、WRCプロモーターによる女性ラリードライバー育成プログラムのトレーニングキャンプのメンバーにも選出されるなど実りの多いシーズンを好結果で締めくくった平川は「メカニックや色々な方たちに支えていただき、完走して優勝もできてとてもうれしいです。女性ドライバーということもあって注目していただいていると思いますが、ラリーが大好きになったという人が増えてくださったら私もすごくやりがいがあります。兄(レーシングドライバーの平川亮)の背中を追いかけるのではなく、超えていきたいです」と、今後の活動への意欲を頼もしく語った。

WRCラリージャパン ナショナル部門最終結果
1 ディディエ・オリオール(トヨタGRヤリス) 4:02:25.0
2 村田康介(トヨタGRヤリス) +2:06.2
3 山本悠太(トヨタ86) +7:54.4
4 佐々木康行(トヨタGRヤリス) +18:39.4
5 平川真子(トヨタ・ヤリス) +27:40.7
6 中山透(トヨタGRヤリス) +40:53.7
7 清田恵次(ホンダ・シビック・タイプR) +40:34.5
8 萩原泰則(スバルWRX STI) +1:09:59.2




. プレイドライブ最新号

プレイドライブ2025年1月号

詳細を見る 電子版はこちら


ヘルメットのペイントはじめました!

S 全国のプレイドライブ販売店

全国各地でPDを取り扱っていただいているモータースポーツショップのリスト。手に取ってご覧いただいたり、バックナンバーを注文することもできます。

PD販売店はこちら

@ 編集部にひとこと!

プレイドライブ編集部では、皆さまからのご意見、ご要望、企画提案、取材依頼、イベント情報、新製品情報など、幅広くお待ちしています!

投稿はこちらから

d 情報提供のお願い

全国各地のモータースポーツにかかわるニュース、イベント、ショップ、新製品などの情報をプレイドライブ編集部にぜひお寄せください。プレイドライブ本誌のほか、プレイドライブWEBでもご紹介させていただきます。

情報提供はこちらから