2016.09.25 by PLAYDRIVE
ラリー レポート
今年で15周年を迎える全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」は、昨年と一昨年の同ラリーを制した奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)が、同ラリーのAPRC部門で通算6勝という最多優勝記録を持つ新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)に6.2秒差を付け、初日トップの座を奪った。
国内最長SSを誇るラリー北海道だが、本格的なラリーがスタートする9月24日(土)のSS2「イケダ」(12.37km)でいきなり大きな局面を迎えた。このラリー唯一となるこのターマックステージで、ランキングトップの勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)がいきなりコースオフしてしまい、レグ離脱となってしまう。昨年は前走車が掻きだした泥が路面全体を覆い、多くのドライバーが口々に「まるで泥のスケートリンクのよう」と語っていたこのステージが、今年もいきなり牙を剥いた。このSS2では、勝田の他にJN5クラスのヘイキ・コバライネン/北川紗衣(GT86 CS-R3)や、JN4クラスの香川秀樹/船木一祥(ホンダ・シビックtypeR)、JN1クラスの田中伸幸/中田昌美(スズキ・スイフトスポーツ)などの有力クルーを次々と飲み込む魔のステージとなった。この難ステージを制した奴田原は、続くSS3「リクベツ・ロング1」(4.63km)でもベストをマーク。前日のSS1「SSSサミー・サツナイ1」(1.47km)を含め、この序盤だけでライバルの新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)に6.0秒のマージンを築き上げる。
その後は、台風による豪雨の影響でコースの一部が走行困難な状況となり、前半の約8kmを短縮したSS4「クンネイワ1」(20.42km)やSS5「パウセカムイ」(10.40km)といった高速ステージはほぼ互角の勝負を見せるふたりだが、SS3のリピートステージとなるSS6/SS7は奴田原が連取し、新井との差を10.7秒に拡大。終盤は新井や鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)からの反撃を受けるものの、中盤までに滑りやすい路面のテクニカルステージで築いたマージンを活かした奴田原が、2位の新井に6.2秒差のトップで初日を折り返した。「北海道を襲った台風の影響や前日の雨の影響を受け難しい路面コンディションだったが、低速からトルクが深いランサーの持ち味を活かせたと思う」と奴田原。勝田が序盤でレグ離脱したことも重なり、シリーズポイント逆転に向け、大きな足掛かりを掴んだ。
JN5クラスは、柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)がSS7を終えた時点で2番手の関根正人/小坂典嵩(シトロエンDS3 R3-MAX)に1分以上の差を付ける快走を披露。その関根がSS8でオーバーヒートによりレグ離脱したために、シリーズチャンピオンを狙う柳澤にとっては直接的なライバルとなる大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)が2位に浮上してくるものの、その差は2分以上。圧倒的なリードを保ち、競技最終日を迎える。
JN4クラスは、クラス唯一の4WDとなる小倉雅俊/平山真理(ダイハツ・ブーン×4)が、曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)と好勝負を展開。「中盤から後半にかけては、かなり抑えて走った」という小倉が、「自分のペースを守って走っている」という曽根に13.5秒差を付け、初日トップに立っている。
全日本ラリー選手権のグラベルラウンドでは初のクラス成立となるJN2クラスは、「とにかく完走して優勝を目指す」という明治慎太郎/谷内壽隆(トヨタ86)が首位、JN1クラスは、松原久/和田善明と坂昭彦/中谷篤と高篠孝介/廣嶋真がシーソーゲームを展開するが、SS10でトップに立った高篠が初日を首位で折り返している。
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