2024.11.28 by PLAYDRIVE
ラリー
11月21日〜24日に愛知県・岐阜県を舞台に開催されたWRC最終戦ラリージャパンには、全日本ラリー選手権を戦うクルーも参戦。2024年にJN-1クラスチャンピオンに輝いた新井大輝(シュコダ・ファビアR5)が、WRC2部門に参戦し、優勝したニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)、サミ・パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2)に続く3位表彰台を獲得した。
昨年のラリージャパンでは、2WDのプジョー208ラリー4で参戦し、総合10位に食い込んでいる新井。今年は最新のラリー2マシンが揃うWRC2部門に、2015年に供給されたシャシーナンバー5のR5マシンという満身創痍のファビアR5で挑んだ。
序盤から様々なトラブルを抱えながら、2023年全日本チャンピオンのヘイキ・コバライネン(トヨタGRヤリス・ラリー2)と3位争いを展開した新井。最終日は最初のSS17でコバライネンが総合トップのオィット・タナック(ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッド)と同じコーナーでコースアウト後に転倒、リタイアと衝撃的な波乱が起こるなか、新井もさらにリヤブレーキにもトラブルが発生。それでも、問題に対処しながら下りメインのステージではベストタイムを叩き出す速さも披露し、WRC2部門3位でフィニッシュし表彰台に上がった。
最終のパワーステージを走り切った新井は、目にうっすらと涙を浮かべながら、次のようにラリーを振り返った。
「リヤデフのトラブルと、ハブベアリングが取れかけたりと、今日も色々ありました。初日はアンチロールバーとサイドブレーキですから、本当にトラブル満載のラリージャパンになりましたね(笑)。長い距離を走ると、やっぱりクルマが壊れますね。昼のサービスでは、すべてが直り切らなかったです。3位表彰台は、走り切れるか……という状態だったことを考えると、本当に良い結果だと思います」
「以前、WRC2を争っていた時とは、まったく違う感覚ですね。僕自身もやらなければならないことがたくさんあるなかで、フィニッシュまで帰ってくることができました。ただ、ラリーでは最終的にクルマのレベル以上のことはできません。ダウンヒルがメインの『笠置山』などは勝負になりますが、登りメインのステージやストップ&ゴーのステージは、やっぱり厳しかったです」
「ラリージャパンは、この1年を象徴するような一戦でした。本当にいろいろとあった1年の総括とも言える、トラブル続きのラリーになりました。今回の土曜日のように、ノートラブルで走れることもあったりで……。ただ、自分の予算でラリーを続けるのは限界かな(笑)。こうやって最後まで戦えて良かったです」
またWRCマスターズカップでは、勝田範彦(GRヤリス・ラリー2)がトップフィニッシュを飾っている。
WRCジャパン WRC2部門最終結果
1 N.グリアジン(シトロエンC3ラリー2) 3:33.45.3
2 S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +1:46.5
3 新井大輝(シュコダ・ファビアR5) +3:20.0
4 G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:11.5
5 K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:46.6
6 小暮ひかる(トヨタGRヤリス・ラリー2) +8:48.7
7 勝田範彦(トヨタGRヤリス・ラリー2) +11:23.5
8 奴田原文雄(トヨタGRヤリス・ラリー2) +15:17.1