2026.08.18 by PLAYDRIVE
クロスカントリーラリー
8月9日〜16日にタイで開催されたアジアクロスカントリーラリーで田口勝彦/保井隆宏組の三菱トライトンが総合優勝を飾ったチーム三菱ラリーアートは、帰国した18日、羽田近郊で帰国会見を行った。
会見には田口、保井、増岡浩総監督が出席。チームとしては大会連覇、田口/保井組は日本人同士のコンビとしては大会史上初の優勝という快挙を達成した興奮冷めやらないなか帰国した3人。まず、三菱自動車の五十嵐京矢代表執行役副社長が登壇し「自分はスタートにも立ち会って、ぜひ勝ってくださいと漠然と伝えましたが、連覇は非常に難しいことだとも思っていますし、ほかのチームの戦闘力も上がっているので、かなり大変な思いをされたと思います。心から感謝とともに、おめでとうを伝えたいです」と言葉を寄せた。
22年からチームを率いてきた増岡は「日本人同士の優勝、こんなにうれしいことはありません。昨年覇者のチャヤポン選手とピーラポン選手、田口選手と保井選手、2クルーのチャンピオンを要する素晴らしいチームになりました。5戦3勝、安定した結果を残せているのはチームスタッフ、メカニック、エンジニア、みんなのチーム力のおかげです」と誇らしげに優勝の喜びを伝えた。
「レグ3終了時点で8秒差、最終的に2分20秒、今年は非常に接近した戦いでした。上位グループで唯一、ミスがなかったのが田口選手と保井選手。ナビゲーションがすごく難しいのですが、保井選手のナビが今回、大当たりしました。毎日、震えが止まらないくらい興奮していました」

念願のAXCR初優勝を決めた田口は「勝因は、作戦は、と聞かれますが、今回はすべてがうまく行きました。クルマの基本性能が上がり、サスペンションをチューニングして、スピードラリー出身のドライバーがより攻められるクルマになりました。重量配分もそれに貢献しています。エンジンも、川渡りや低速コーナーでより速く走れるようにエンジニアさんに改良していただきました。それが一番大きかったです」とトライトンの改良が完璧にはまったことを説明した。

「戦略的には、1位を獲るためにはどうすればいいか、と考えた時に、去年よりもミスコースをしそうなところはスピードダウンして、ハイスピードでタイムを稼ぐと決めました。そしてパンクをさせない。タイヤ1本分はスライドさせないような走りをしました。その作戦がよかった。すべてが作戦通りにいったことがよかったと思います」と会心の笑顔を見せた。そして「レグ3で1番になって『行けるね』と言われましたが、8秒差なんてパンク1回、ミスコース1回でなくなってしまう。コ・ドライバーも、ものすごいプレッシャーだったと思います」と保井を労った。

その保井は、通常参戦している全日本ラリー選手権とはまったく性質の異なるクロスカントリーラリーに、初年はミスコースを連発してラリーにならず、年末にはプライベートで田口とともにタイでトレーニングを積むなど、奮闘を続けてきた。
「去年よりクルマの性能が上がりましたが、コ・ドライバー的にはナビゲーション速度もどんどん上げていかなくてはならず、ナビゲーションがどんどん難しくなります」と保井。
「なので今年は本当に大変で、田口選手が言ったようにラフなセクションやパンクのリスクがあるところ、ジャングルのようなミスコースしやすいセクションではしっかり抑えて、ハイスピードのところで稼ぐというメリハリのある走りをしてくれたことで、うまくコンビネーションが噛み合ったと思います。トップに立ってからはまったくミスができない状況で、毎晩、緊張とプレッシャーから泣いていたのですが、勝ててよかったです。いまはホッとしています」と安堵の笑顔を見せた。

AXCRの舞台裏について話を聞かれると、通常はスピード競技の全日本ダートトライアル選手権に参戦している田口は、コーナー速度を高めるために、クロスカントリー車両だが無理を言ってサイドブレーキをつけてもらったという。「今後は、これがスタンダードになるかもしれませんね」
なお三菱は、今年の秋にパジェロを復活させることを発表しているが、増岡総監督からは「ぜひ来年は3連覇をパジェロで達成したいという大きな夢と目標を持ったので、来年のこの時期、ご期待いただきたいと思います!」と情熱発言も飛び出した。