2026.03.22 by PLAYDRIVE
イベント ドリフト ラリー
WRC第3戦サファリ・ラリーケニア(グラベル)で、WRC初勝利を飾ったトヨタの勝田貴元が3月21日、首都圏近郊で開催されたRed Bull Tokyo Drift 2026に登場。トヨタGRヤリス・ラリー1でデモランを披露した後、TGR WRCチャレンジプログラム5期生としてトレーニングを積む箕輪大也とともにメディアの合同取材に応じた。
このイベントには初参加という勝田は、昨年のイベントで箕輪が披露した走りを動画で観て、参加したいと思っていたと語る。
「ちょうど、ケニアでいい結果を収めて、いいタイミングでの日本帰国につながりました。GRヤリス・ラリー1も用意していただきましたし、たくさんのファンの皆さんの前で走ることができました。レッドブルの皆さんに感謝したいです」と勝田。
箕輪は「自分は、去年の9月に開催されたイベントに参加しましたが、今回はさらに規模が大きくなって、ドリフトだけでなく、勝田選手がラリー1でデモンストレーションしたり、F1ドライバーの方も来ていたり、いろいろな分野で盛り上げられて、素晴らしいイベントでした」と感想を語った。
今年から拠点をフィンランドに移し、勝田の背中を追いかけてWRCで活躍するドライバーを目指している箕輪。WRCサファリで勝田が演じた涙の初優勝について「ずっとライブで最後のSSまで見ていて、フィニッシュした後、勝田さんがインタビューの時に、日本語でご家族に『一番になったよ』って言っているところで、完全に号泣していました。お子さんたちも奥さまのことも知っているので、すごいうれしくて」と快挙を喜んだことを明かした。
「一緒にトレーニングしていただく時も、常に的確なアドバイスを毎週送ってくれます。勝田選手はどんな状況でも、どんなクルマの状態でも、どんな路面コンディションでも、常に攻めの姿勢なので、本当に尊敬しています」
一方、まだ16歳で単身、国を離れてトレーニングに挑んでいる箕輪について勝田は「彼を初めて見たのが、3年前のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンのエビス大会。カッレ・ロバンペラ選手が出ていたので、配信で見ていました。それまで、しっかり大会をみたことがなかったので、『こんな若い選手がいるんだ』と思いました。『すごく落ち着いた選手だよ』と聞いて、そこから興味を持ちましたね」ときっかけを明かした。
「その後の夏に一度会って。自分も将来に向けて、ラリーの分野で、若手をサポートしていきたいと思っていたので、いろいろな選手を見ているなかで、箕輪選手が頑張っていたので、ラリーに興味ある? と聞いたりもしていました。その年の最終戦、岡山国際サーキットを見に行った時に、惜しくもチャンピオンは獲れなかったんですけど、当時、14歳とは思えない佇まいと、精神面と、落ち着いた感じが、初めて彼に会った時の印象にすごく合っていて。ラリーって、ガツガツ行くだけじゃダメですし、自分が持っていなかったものを、すごく持っているところに魅力を感じました」と箕輪を評価した。
「ドライビングテクニックはもう言うことはないくらいです。ドリフトで結果も出していますし。あとはラリーですが、この年からラリーやって覚えていったら、とんでもない選手になるなっていう思いと。あと、一番の決め手は、岡山で負けた時、『ここで勝負に出ないとやばい』っていうシーンがあって。その時に、すごい攻めの走りをしたのを見て『この選手だったら行けるな』と。その後にも負けてすごく悔しがっていました。やっぱり、勝利に対する意欲がない選手は伸びないですし、見たかったものが全部その場で見れたので、もうこの選手を応援しようと思いました。箕輪選手も、ラリーをやりたいですって言ってくれたので、かなり長期の計画を立てて、今応援しています」
また、本日スーパーフォーミュラ(SF)の参戦休止を発表したロバンペラについては「本人はめちゃくちゃモチベーションも高く、できる限りのことに取り組んで、ものすごく楽しみにしていました。大好きだったラリーを休んででも挑戦したいっていう、そういう強い意志の元で取り組んでいました。ラリーで成功したからレースでも勝てるという思いは1ミリもなくて。簡単な世界じゃないということは、本人が誰よりも一番理解しています。SF参戦は、その中で決めた大きな決断でした。それを僕は一番近くで見てきました。だから今の状況は自分のことのように辛いですし、彼のことを思うとものすごく心が痛みます。ガッカリされたファンの方もいると思いますが、本人の熱い思いはもちろん消えていません。これで終わりではないですし、彼の精神力ならこの状況をバネに、強くなってまた挑戦できる状態で戻ってこれると思います。引き続き応援してほしいなと思いますね」とコメントを寄せた。
勝田自身も、もちろんWRCでの戦いが続いていく。次戦に迎えるのは、今季最初の本格的なターマックラリーとなるラリークロアチア。このイベントについて勝田は「かなりインカットで泥が多く出るようなステージが多くて、そこらへんが難しいです。サファリで優勝はしましたが、これに満足することはもちろんなくて、ここが最初の一歩。ここからが本当の正念場だと思っています。クロアチアはもちろん、シーズンを通して、常にトップ争い、少なくとも表彰台争いをしながら、選手権でトップ3にまずは入っていくための準備をしています」と、意気込みを語った。